腎盂尿管がんとは
腎盂尿管がんとは、腎臓でつくられた尿が膀胱へ流れるまでの通り道である「腎盂」と「尿管」に発生するがんです。
腎盂・尿管の内側を覆う尿路上皮から発生することがほとんどで、膀胱がんと同じ性質を持つ「尿路上皮がん」に分類されます。
50歳代後半以降の男性に多く、喫煙が主要なリスク因子とされています。
腎盂尿管がんは泌尿器がんの中でも「見つかりにくいがん」のひとつです。
早期にはほぼ無症状で、人間ドックや健診のCT・超音波検査で偶然発見されるケースや、血尿をきっかけに発見されるケースが多くなっています。
また膀胱がん・腎がんと同時に発生することがあるため、血尿や尿潜血を指摘された場合は尿路全体を評価することが重要です。

発見のきっかけとなる症状
腎盂尿管がんで最も多い症状は、痛みを伴わない血尿(無症候性肉眼的血尿)です。
尿が赤くなる・茶褐色になるといった症状が突然現れますが、膀胱がん同様に自然に止まることがあります。
「治まったから大丈夫」と放置してしまうケースが多いですが、その間にもがんが進行している可能性があるため、一度でも血尿が出たら速やかに受診することが大切です。
がんが大きくなり尿管をふさぐと水腎症(腎臓が腫れる状態)が起こり、腰や背中の鈍い痛みが現れることがあります。
また健診で尿潜血を指摘された場合も、腎盂尿管がんが潜んでいる可能性があるため泌尿器科での精密検査が必要です。
以下のような症状・指摘がある方は早めにご受診ください。

- 血尿(赤・茶褐色の尿)が出た
- 健診で尿潜血を指摘された
- 腰や背中の鈍い痛みが続く
- 膀胱炎を繰り返している・治りにくい
- 過去に膀胱がん・腎がんの治療を受けたことがある
検査・診断の流れ
腎盂尿管がんは膀胱がんと異なり、内視鏡検査だけでは診断できないため、複数の検査を組み合わせることが重要です。
STEP1:尿検査・尿細胞診
尿検査で血尿・白血球の有無を確認します。
尿細胞診は尿の中にがん細胞が含まれていないかを調べる検査で、患者様への負担が少なく繰り返し実施できます。
ただし陰性であってもがんを完全に否定できないため、画像検査と組み合わせて判断します。
STEP2:超音波検査・CT検査・MRI検査
超音波検査で腎臓の腫れ(水腎症)・腎盂内の腫瘍の有無を確認します。
確定診断にはCT検査(CTウログラフィー)が最も有用で、腎盂・尿管・膀胱の尿路全体を3次元画像で評価しがんの位置・大きさ・転移の有無を確認します。
CT検査でも診断が難しいケースではMRI検査を行う場合があります。
STEP3:腎盂尿管鏡検査
画像検査で診断が確定しない場合は、腎盂尿管鏡(尿道から挿入する細い内視鏡)で腎盂・尿管を直接観察し、組織を採取して病理検査を行います。
この検査は全身麻酔が必要なため入院での実施となります。
当院の診療内容
当院では初診当日に尿検査・尿細胞診・超音波検査を実施し、速やかに結果をご説明します。
「血尿が出た」「健診で尿潜血を指摘された」「腰背部の鈍い痛みが続く」という方は、まずお気軽にご受診ください。
腎盂尿管がんは発見が遅れるほど進行した状態で見つかるリスクが高まります。
血尿は一度止まっても油断せず、早めに専門医を受診して原因を確認することが重要です。
超音波検査で水腎症・腎盂内の異常が疑われる場合やCT・MRI検査が必要と判断した場合は、連携病院へ速やかにご紹介します。
紹介後も当院での定期フォローを継続しますので、治療中・治療後のことも含め、何かご不安なことがあればいつでもご相談ください。
高次医療機関との連携
腎盂尿管がんの根治治療は、転移がない場合はがんのある側の腎臓と尿管をひとまとめに摘出する「腎尿管全摘術」が基本となります。
近年は腹腔鏡やロボット支援手術など体への負担が少ない術式が広まっています。
転移がある場合は化学療法・免疫チェックポイント阻害薬などを組み合わせた治療が行われます。
また腎盂尿管がんは術後に膀胱へ再発することが多いため、手術後も定期的な膀胱鏡検査による長期フォローが欠かせません。
当院では広島市民病院・安佐市民病院・県立広島病院・県立二葉の里病院・広島記念病院と連携しており、専門的な治療が必要な場合もスムーズにご紹介できる体制を整えています。
広島市東区で腎盂尿管がんにお悩みの方へ
腎盂尿管がんは自覚症状に乏しく、泌尿器がんの中でも特に発見が難しい病気です。
血尿は「止まったから問題ない」ではなく、がんからのサインである可能性があります。
広島市東区で一度でも血尿が出た方・健診で尿潜血を指摘された方・膀胱がんや腎がんの既往がある方は、ぜひえばら泌尿器科へお早めにご受診ください。
