腎がんとは
腎がん(腎細胞がん)とは、腎臓の中にある尿細管の細胞ががん化して発生する悪性腫瘍です。
腎臓は背骨を挟んで左右にひとつずつあり、血液中の老廃物をこして尿をつくるほか、血圧の調節・造血ホルモンの分泌・ビタミンDの活性化など多くの働きを担っています。
腎がんはこの腎臓の実質部分から発生するため、同じ腎臓にできる「腎盂尿管がん」とは性質も治療法もまったく異なります。
年間約3万人が診断される腎がんは、50歳代後半以降の男性に多く、男性の罹患率は女性の約2倍です。
発生の主なリスク因子として喫煙・肥満・高血圧が挙げられており、長期透析を受けている方や遺伝性疾患(VHL病など)をお持ちの方は特に注意が必要です。
近年は罹患数が増加傾向にある一方、超音波検査・CT検査の普及により早期発見の割合も高まっています。
初期症状と注意点
腎がんは「症状が出にくいがん」の代表格です。
現在、腎がん患者全体の70%以上が無症状のうちに検診・人間ドックの超音波検査やCT検査で偶然発見されています。
症状が現れる頃にはある程度進行しているケースが多いため、定期的な健診の受診が早期発見に直結します。
進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- 痛みを伴わない血尿(ピンク・赤・茶褐色の尿)
- わき腹・背中・腰のしこりや鈍い痛み
- 原因不明の発熱・体重減少・食欲不振・貧血
- 足のむくみ
腎がんは転移しやすいがんでもあり、肺・骨・リンパ節・脳などへの転移が最初に発見され、精査の結果として腎がんが判明するケースも少なくありません。
「血尿が一度出て自然に止まった」「健診で尿潜血を指摘された」「なんとなく腰や背中が重い」という方は、症状が軽くても早めに当院までご相談ください。
診断に用いられる検査
腎がんには特有の腫瘍マーカーがないため、画像検査が診断の中心となります。
尿検査・血液検査
尿検査で血尿・尿潜血の有無を確認します。
血液検査では腎機能・貧血・カルシウム値・炎症反応(CRP)などを評価します。
これらは腎がんの直接的な確定診断にはなりませんが、異常の有無を確認する入口として重要な検査です。
超音波検査
腎臓の腫瘍の有無・大きさ・形状を痛みなく確認できる検査です。
副作用がなく繰り返し実施できるため、人間ドックや健診でのスクリーニング検査として広く使われています。
当院では初診当日に超音波検査を実施しています。
CT検査・MRI検査
腎がんが疑われる場合の確定診断には造影CTが最も有用です。
腫瘍の大きさ・リンパ節や静脈への浸潤・肺・肝臓・骨などへの転移の有無を詳細に評価できます。
CTで鑑別が難しい場合や下大静脈への進展が疑われる場合はMRI検査を追加します。
当院での診療について
当院では初診当日に尿検査・血液検査・超音波検査を実施し、速やかに結果をご説明します。
「健診で尿潜血を指摘された」「血尿が出た」「わき腹に違和感がある」「人間ドックで腎臓の異常を指摘された」という方は、まずお気軽にご受診ください。
腎がんは症状が出にくく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。
早期に発見できれば腎臓を温存した手術が選択できる可能性があり、治療の選択肢が大きく広がります。
超音波検査で腎臓に異常が疑われる場合やCT・MRI検査が必要と判断した場合は、連携病院へ速やかにご紹介します。
紹介後も当院での定期フォローを継続しますので、治療中・治療後のことも含め、何かご不安なことがあればいつでもご相談ください。
専門治療が必要な場合の対応
転移がない腎がんの根治治療は手術が第一選択です。
腫瘍が小さい場合(目安として4cm未満)はがんの部分だけを切除する「腎部分切除術」で腎臓を温存できる可能性があります。
腫瘍が大きい場合や部分切除が難しいと判断された場合は、腎臓をまるごと摘出する「根治的腎摘除術」が行われます。
近年はロボット支援手術・腹腔鏡手術など体への負担が少ない術式が広まっています。
転移がある場合は手術に加え、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬による全身療法が行われます。
従来の抗がん剤はあまり効果が期待できない一方、近年は新しい薬剤が次々と開発されており治療の選択肢が広がっています。
当院では広島市民病院・安佐市民病院・県立広島病院・県立二葉の里病院・広島記念病院と連携しており、専門的な治療が必要な場合もスムーズにご紹介できる体制を整えています。
広島市東区で腎がんにお悩みの方へ
腎がんは自覚症状に乏しく、発見が遅れやすいがんのひとつです。
広島市東区で健診や人間ドックで「腎臓に異常あり」と指摘されながら受診を先延ばしにされている方、血尿が一時的に止まって安心してしまっている方は、ぜひ一度えばら泌尿器科へご相談ください。
