インタビュー
開業されたきっかけを教えてください。
泌尿器科の開業医が少ないことに、ずっと危機感を持っていました。
病院で手術や治療を終えた患者様は、地域の開業医が経過観察や服薬の調整を担うのが一般的です。
でも泌尿器科のクリニックが少ないと、患者様が遠方まで通わなければならなかったり、通えるクリニックが見つからず治療が中断してしまうこともある。
そういう現状を変えたくて、病院の受け皿のひとつになれたらという思いで開業しました。
実際に開業してからは、広島市民病院で診ていた患者様や、他の病院で治療を終えた患者様が通ってくださることも増えてきました。
病院の受け皿として機能できているなら、本当にうれしいですね。
当院の診療方針についても聞かせてください。
精度の高い診断を何よりも大切にしています。
治療も手術も、すべては診断を基準に進めていくものですから、診断が合っていなければどれだけいい治療をしても良い結果は出ません。
たとえば前立腺がんが見つかったとしても、患者様の全身状態や他の疾患との兼ね合いを見ながら治療方針を考えます。
がんの治療を積極的に行うことが、必ずしもその方にとってベストとは限りませんから。
もちろん患者様にはしっかりご説明しますし、最終的に判断されるのは患者様自身です。
私の役割は、その判断を支えるための正確な情報と選択肢をお伝えすることだと思っています。
診療では、まず患者様のお話をしっかり聞くことを大切にしています。
専門的な内容になることもありますが、患者様が理解しやすい言葉を選びながら説明するよう意識しています。
患者様が納得したうえで治療を受けていただけることが、何より大切だと思っています。
どのような患者様が多く来院されますか?
開業してからは、尿路感染症や膀胱炎・尿道炎といった症状の方が多いですね。
大学病院のような専門的な症例だけではなく、地域のクリニックでは日常生活の中で困っている症状についてご相談される患者様が多いと感じています。
老若男女問わずいらっしゃいますよ。
過活動膀胱は高齢者に多いイメージがあるかもしれませんが、50代半ばぐらいから悩まれている方も多いですし、若い女性は膀胱炎でお悩みの方が多かったりと、泌尿器科にかかる患者様の幅は本当に広いです。
年代によっても相談内容に違いがあって、男性の場合は若い年代では性感染症のご相談が比較的多い印象があります。
女性の場合は年代に関わらず膀胱炎で受診される方が多いですね。
若いから大丈夫と思わず、気になる症状がある場合はぜひ一度受診してみてください。

どのような症状があれば泌尿器科を受診したほうがよいでしょうか?
排尿時に何か違和感があれば、早めに受診してください。
通常、排尿は何も気にせず行っているものですが、違和感や気になることがあれば、何かの疾患が隠れているかもしれません。
健康診断で尿潜血を指摘された場合は、自覚症状がなくても一度泌尿器科での確認をおすすめしています。
腎臓や膀胱、尿路に何らかの異常が見つかることがあります。
男性の場合はPSAという前立腺がんの腫瘍マーカーがあって、健診でPSAの値が高いと言われた場合も、泌尿器科で詳しい検査を受けていただくと安心です。
日常生活の中で気づきやすい症状としては血尿があります。
尿が赤く見える肉眼的血尿が出た場合は、早めに受診していただきたい症状のひとつです。
そのほかにも頻尿・尿が出にくい・残尿感・排尿時の違和感や痛みといった排尿の異常が続く場合も、泌尿器科の受診を検討してください。
頻尿などは「年齢のせいかな」「大したことないかな」と思って様子を見る方も多いのですが、前立腺の病気や膀胱の病気、場合によってはがんに関連する症状として現れることもあります。
必ずしもすべてが重い病気というわけではありませんが、気になる症状が続く場合は自己判断せず、お気軽にご相談ください。
ご自身のことだけでなく、ご家族や周りの方で「最近トイレの回数が増えた気がする」と思い当たる節があればいつでもご相談いただければと思います。
市販薬についてはどのようにお考えですか?
漢方薬などの市販薬を試される方も多いと思います。
漢方薬自体は良い薬ですし、私たちも診療の中で処方することがあります。
そういった市販薬を使ってみること自体は問題ありません。
ただ、市販薬として購入する場合、意外と価格が高くなることがあります。
医療機関で診察を受けて処方された場合は保険が適用されるため、結果的に費用を抑えられることもあります。
目安としては、市販薬を使用しても1週間ほどたって症状が良くならない場合は、一度医療機関でご相談いただくことをおすすめしています。
診察を受けていただければ、症状を確認したうえで適切な薬を選ぶことができますし、保険診療で処方することも可能です。

性感染症について、注意しておいたほうがよいポイントはありますか?
性感染症は、症状がはっきり出ないこともあります。
特に女性の場合は症状が出にくいこともあり、検査をして初めて分かるケースもあります。
たとえばブライダルチェックなどの検査を受けた際に、実は感染していたことが分かるということもあります。
自覚症状がない場合でも、検査によって見つかることがあるという点は知っておいていただきたいですね。
また、性感染症の場合はパートナー同士で治療を行うことが大切です。
どちらか一方だけ治療しても、再び感染してしまう可能性があります。
診断がついた場合には、必要に応じてパートナーの方にも検査や治療を受けていただくようお伝えしています。
お互いにきちんと治療を行うことが大切です。
どのエリアから来院される患者様が多いのでしょうか?
やはりクリニックの近隣(広島市)から来院される方が多いです。
近くにお住まいの方に加えて、周辺で働いている方が仕事帰りに受診されるケースも少なくありません。
当院は診療時間を18時30分まで設けているため、会社が終わってから来院される方もいらっしゃいます。
一般的には18時頃までの診療のクリニックも多いのですが、仕事帰りに立ち寄れる時間帯ということで、17時半から18時頃に受診される方もいらっしゃいますね。
オフの日はどのように過ごされていますか?
特別な趣味というほどではありませんが、ウォーキングをすることが多いです。
体を動かすことが好きなので、時間があるときは歩くようにしています。
歩いているときは、建物や自然を眺めながらひたすら歩くことが多いですね。
気分転換にもなりますし、無になれる時間でもあります。
2時間ほど歩くと1万6000歩くらい、だいたい10キロほどになることもあります。
健康のためという意味でも、体を動かすことは大切にしています。
今後の展望についてお聞かせください。
特別に大きな目標を掲げているわけではありませんが、来院された患者様のご相談にしっかり応えていくことを大切にしたいと考えています。
自分たちにできる範囲の中で、患者様の期待に応えられる診療を続けていきたいと思っています。
地域のかかりつけ医として、患者様に頼っていただける存在もめざしています。
近隣病院やクリニックとも連携していますので、何かあってもご安心ください。
もっと皆さんに親しみを持って接してもらえるクリニックをめざして、これからも頑張っていきます。
最後に、ホームページをご覧の方へメッセージをお願いします。
泌尿器科の症状は、人に相談しにくいと感じる方も多いと思います。
「病気だ、受診だ」と力まなくていいんです。
日常で感じた異変や不安を、気軽に話す場所として活用していただければうれしいです。
頻尿や排尿の違和感、血尿など、気になる症状がある場合には一人で悩まずにご相談ください。
「痛みはないけど、いつもと何か違う」そんな状態でも構いません。
小さな違和感が大きな病気の発見につながることもありますから、自分の体からのサインをしっかりキャッチして、受診につなげてください。
当院では患者様のお話をしっかりうかがいながら、分かりやすい説明を心がけています。
公共交通機関でも車でも来やすい場所にありますので、気軽にご来院ください。